補助金を探す
読み物

補助金と助成金の違い 名前ではなく出どころと仕組みで分ける(給付金・交付金も)

更新日 2026年11月4日・公式の公募要領などで確認した日 2026-11-03・運営 株式会社カメレオンパートナーズ(非公式)

先に答え(2026年11月3日に確認)

名前で決まるか
決まらない。
名前より、誰が出すか・どう決まるかで見る(補助金適正化法 第2条の「補助金等」にも「助成金」という区分は無い)
補助金(経産省・中小企業庁の物など)
公募で申請し、審査で選ばれた人だけがもらう。
中小企業庁は「申請したら必ずもらえる」ものではないと書いている。
持続化補助金 第19回の採択は申請の約47%
助成金(厚労省の雇用関係助成金)
「一定の要件を満たした事業主」に出す。
ただし労働局の審査はあり、不支給もある。
財源は主に事業主が払う雇用保険料(雇用保険二事業)だが、そうでない物もある
名前と中身が違う例
厚労省の「業務改善助成金」の正式名は「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金」で、予算の範囲内で出る。
東京都の「創業助成事業」は令和7年度に申請 1,225件のうち採択 201件(約16%)
給付金
法律や制度で決めた人に出るお金。
自分で請求が要るものが多く、期限があるものが多い。
税金はものによって違う
交付金・負担金
地方創生の交付金や国庫負担金のように、国から自治体へのお金の名前として使われる。
名前だけでは誰が受け取るか決まらないので、制度ごとに確かめる

「補助金」と「助成金」は、よく「審査があるか無いか」「経産省か厚労省か」で分けて説明されます。ただ、厚労省の雇用関係助成金にも支給の審査はあります。

違いは、応募の中から選ぶ審査か、要件に当たるかを確かめる審査かです。名前だけで判断すると外れるものもあります。

このページでは、法律と省庁の公表物をもとに、お金の出どころと仕組みで分ける見方をまとめました。

名前ではなく、3つの点で分ける

補助金・助成金・給付金の違い

自分が受けたいお金がどれに近いかは、次の3つで見分けられます。

見る点 補助金に近い 助成金(雇用関係)に近い 給付金に近い
誰が出すか 国の省庁(中小企業庁など)、自治体 厚生労働省(労働局・ハローワーク) 国・自治体・日本年金機構など、法律や制度で決めた所
どう決まるか 国の物は、公募の期間に申請し、審査で選ばれる(採択)。
自治体の物は、審査で選ぶもののほか、要件に当たる申込みを予算の範囲で受け付けるものもある(制度ごとに確かめる)
要件に当たるかを労働局が審査して支給・不支給を決める 法律や制度の要件に当たれば、請求して受け取る
いつ払われるか 原則として、事業をした後に報告と検査を受けて払われる(後払い) 取り組み(雇用・訓練など)をした後に申請して払われる 請求の後(年金に上乗せなど)
根拠 国は補助金適正化法、自治体は地方自治法 第232条の2 と各自治体の規則・要綱 雇用保険法 第62条・第63条と共通の支給要領 それぞれの法律(年金生活者支援給付金法・雇用保険法など)

名前が「助成金」でも、自治体の物や厚労省の一部の物は、補助金の列に近い仕組みで動いています(下の「名前と中身が違う例」)。

補助金とは

経産省系の補助金の順番

国の補助金は「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(補助金適正化法)で動きます。この法律の「補助金等」は、国が国以外の者に出す次の物です(第2条)。

  1. 補助金
  2. 負担金(国際条約にもとづく分担金を除く)
  3. 利子補給金
  4. その他、相当の反対給付を受けない給付金で政令で定める物

流れは、申請書を出す→国が書類を審査し(必要なら現地調査)「交付の決定」をする→事業をする→実績報告を出す→国が審査して額を確定する→支払い、です(第5条・第6条・第14条・第15条)。目的外に使うと交付決定の取消し・返還があり、うそで受け取ると5年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、または両方です。

経産省系の補助金では、採択(この時点ではまだ内定)→交付申請→交付決定(ここから発注できる)→事業→実績報告→額の確定→請求→入金、の順になります。中小企業庁は、申請の期間は限られ 1か月前後のことが多いと書いています。

実際にどれくらい選ばれるか(当サイトの計算)

補助金 申請 採択 割合
小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第19回 16,576 7,819 約47.2%
中小企業新事業進出補助金 第4回(2026年6月で公募終了) 1,499 508 約33.9%

要件を満たして申請しても、採択されなければ受け取れません。

助成金とは(厚労省の雇用関係助成金)

厚生労働省の「雇用関係助成金」は、雇用保険法の雇用安定事業・能力開発事業(第62条・第63条)にもとづき、共通の支給要領で動きます。共通要領は、目的を「一定の要件を満たした事業主…に対して、必要な助成を行う」と書いています。

補助金のように公募で何者かを選ぶ書き方ではありません。

ただし、審査が無いわけではありません。

ポイント
  • 労働局が、書類・直接の確認・実地調査で、対象に当たるか・不支給の要件に当たらないかを判定してから、支給か不支給を決めます。
  • 厚労省の助成金の案内は、受給できる事業主の条件に「支給のための審査に協力する事業主」を挙げています。
  • 雇用関係助成金は、申込みに対する国の承諾で成り立つ「贈与契約」とされ、不支給の決定に不服があっても、行政不服審査法の審査請求の手続きはありません。
  • 支給申請の期間は、原則として各助成金の要領が定める日の翌日から2か月以内です。

財源について、厚労省は「事業主拠出の雇用保険二事業」と書いています。令和8年度の二事業の保険料率は事業主だけの負担で、一般の事業で 1,000分の3.5 です。ただし同じ案内の表で、障害者雇用納付金制度の助成金(★)と、財源の一部が一般会計の助成金(☆)を分けて示しています。「助成金の財源はすべて雇用保険料」とは言えません。

名前と中身が違う例

名前 中身
業務改善助成金(厚労省) 正式名は「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金」。
交付要綱の第1条は、予算の範囲内で、補助金適正化法に従って交付するとしている。
流れも交付申請→交付決定→事業→報告→支給で、補助金と同じ
労働条件等関係助成金(厚労省) 国の予算で対象の事業主の数が決まり、期間の途中で受付を締め切ることがある
東京都の創業助成事業 名前は助成金でも審査で選ぶ。
令和7年度は申請 1,225件のうち採択 201件(約16.4%・当サイトの計算)
東京都中小企業振興公社の市場開拓助成事業(令和8年度) 書類・資格の審査、面接の審査(成長産業の分野のみ)、総合審査を経て採択・不採択が出る。
助成の限度額 300万円・助成率 2分の1 以内。
令和8年度の受付は終わっている
持続化給付金(経産省・2021年2月15日で受付終了) 給付金だが、所得税・法人税の収入に計上する物だった
自治体の不妊治療費助成金・医療費助成金 助成金だが、国税庁は非課税所得として扱うと答えている

自治体が補助金・助成金を出せる根拠は、地方自治法 第232条の2「普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合においては、寄附又は補助をすることができる」の一文で、どんな名前で出すかは決めていません。自治体が自分の予算で出すお金は、各自治体の規則・要綱で動きます。

国の補助金を元手に自治体が出すもの(間接補助金等)には、補助金適正化法の決まりもかかります。

給付金とは

給付金は、法律や制度で決めた人に出るお金です。

ポイント
  • 年金生活者支援給付金: 所得が基準以下の年金受給者に、年金に上乗せして出ます。
    費用は全額を国庫が負担します(保険料ではありません)。
    自分で請求書を出す必要があり、原則として請求した月の翌月分からしか出ません。
    受ける権利は2年で時効になり、税金はかかりません。
  • 雇用保険の基本手当: 原則として離職の翌日から1年の受給期間の中でしか受け取れません(延長の手続きがあります)。
    失業等給付には税金をかけないと法律で決まっています。
  • 持続化給付金: 2021年2月15日で申請の受付を終えています。
    課税の収入として申告が要る給付金でした。

給付金は「使い道が自由」「非課税」とは限りません。期限と税の扱いは、物ごとに確かめます。

交付金・負担金・給付費との違い

似た名前のお金は誰に出るか
言葉 中身 事業者や個人が申し込むか
地方交付税 国税の一定割合を、国が自治体に配る「税」 申し込まない
交付金(例: 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金) 国が自治体に出し、自治体がそれを元に住民や事業者向けの事業(給付金など)を組む 自治体が組んだ事業に申し込む
国庫支出金 国から自治体へのお金のうち、負担金・委託費・補助金などをまとめた呼び方。
負担金は国と自治体の経費の分担の決まりにもとづく
申し込まない
給付費(例: 障害福祉の介護給付費) 法律で決めたサービスを受けた人に市町村が出す。
事業者が利用者の代わりに受け取ること(代理受領)ができる
公募して選ぶ補助金とは別の仕組み

税金の扱い

お金 所得税・法人税 消費税
補助金・助成金(国・自治体) 個人事業者が事業用の機械の購入に充てる補助金は、原則として事業所得の収入(国税庁)。
法人が法令にもとづいて受ける給付金等のうち、休業手当・賃金・職業訓練費などの経費を補うためのものは、その休業・就業・職業訓練などの事実があった事業年度の益金に入れる(金額が決まっていなくても見積もる・法人税基本通達 2-1-42)。
雇用の改善などで受ける奨励金は、支給決定の年度になる。
固定資産の取得・改良に充てる国・自治体の補助金は、返還が要らないことが確定しているなどの条件を満たせば、法人は圧縮記帳(法人税法 第42条)、個人は申告書に書いて総収入金額に入れないことを選べる(所得税法 第42条。その分、資産の取得価額から差し引く)
通常の補助金・助成金は、一般的に対価を得て行う取引ではないので課税の対象外(不課税・国税庁 No.6157)
給付金・自治体の助成金 個別の事実関係で違い、非課税の物もある(国税庁)。
年金生活者支援給付金・雇用保険の失業等給付は法律で非課税。
持続化給付金は課税だった
—

誰に頼めるか・どこに相談するか

ポイント
  • 補助金(経産省系など)の申請書類を、報酬をもらって業として作れるのは、原則として行政書士です(行政書士法 第19条「いかなる名目によるかを問わず」。ほかの法律に別の定めがある場合などを除く)。
  • 雇用関係助成金など労働社会保険の申請書を、報酬をもらって業として作る・出すのは、原則として社会保険労務士です(社会保険労務士法 第27条。ほかの法律に別の定めがある場合を除く)。
  • 無料の公的な相談先として、国が全国に置いた「よろず支援拠点」があります(何度でも無料)。
    認定経営革新等支援機関の支援は、有料のことがあります(中小機構の補助金活用ナビ)。
  • 雇用関係助成金の相談・申請先は、都道府県労働局とハローワーク(一部は高齢・障害・求職者雇用支援機構)です。

つまずきやすい所

注意

交付決定の前に発注する

経産省系の補助金は、原則として交付決定の後に発注した経費が対象です(発注できる日は各制度の公募要領で確かめる)。

採択の通知はまだ内定です。

注意

入金までのお金を用意していない

補助金は原則として後払い(精算払い)なので、事業の費用はいったん自分で払います。

注意

「助成金は必ずもらえる」という勧誘

雇用関係助成金にも審査と不支給があります。

厚労省・労働局・ハローワークが、特定の業者に助成金の勧誘を任せることはありません。

厚労省の委託業者を名乗って、助成金の申請・診断・無料査定をうたう書面を送る勧誘があり、厚労省は関与していないと書いています。

注意

コンサルタントに言われるまま申請する

厚労省は、経営コンサルタントを名乗る事業者に指南されて虚偽の申請をした場合も、申請代理人が不正をした場合も、不正受給を問われるのは事業主だとしています。

不正受給をすると返還(年3% の延滞金と返還額の20% の額がのる)に加え、事業主名が原則公表され、5年間は助成金を受けられません。

注意

補助金の「キャッシュバック」「実質無料」

デジタル化・AI導入補助金の事務局は、こうした勧誘を不正の可能性があるとし、IT ツールの代金を実質的に戻すために紹介料・コンサル料の名目で受け取ることや、他人に申請の手続きをさせることも不正で犯罪としています。

注意

給付金をかたる電話

日本年金機構と厚労省は、電話で口座番号・暗証番号を聞いたり、手数料を求めたりしません。

よくある質問

Q補助金と助成金は同じですか?
A
補助金適正化法の「補助金等」には「助成金」という区分が無く、名前だけでは決まりません。
経産省系の補助金は審査で選ばれた人だけ、厚労省の雇用関係助成金は要件に当たるかを審査して支給、という違いが典型ですが、名前が助成金でも審査で選ぶ物(自治体の助成金など)や、正式名が補助金の物(業務改善助成金)があります。
Q「助成する」と「補助する」は違いますか?
A
使い分けを公式に説明した文書は見つかりませんでした。
業務改善助成金のように、正式名は「補助金」で通称が「助成金」という物もあります。
どちらの言葉で呼ばれていても、出どころ・決まり方・根拠を確かめます。
Q助成金は返さなくてよいのですか?
A
借りるお金ではありませんが、目的外に使った時や、うそで受け取った時、計画の目標(賃上げなど)に届かない時に返還を求められる物があります。
Q補助金と交付金の違いは何ですか?
A
地方創生の交付金のように、国から自治体に出る交付金は、自治体がそれを元に組んだ事業(給付金や補助金)に申し込みます。
ただ「交付金」という名前のお金はほかにもあり、名前だけでは受け取る人が決まりません。
Q補助金と負担金の違いは何ですか?
A
国の負担金は、国と自治体などが経費を分け合う決まりにもとづくお金で、補助金適正化法では補助金と同じ「補助金等」に入ります。
名前ではなく、その制度で誰に出るかを確かめます。
Q個人でももらえますか?
A
事業者向けの補助金・雇用関係助成金のほかに、年金生活者支援給付金のような個人向けの給付金があります。
自治体には、個人が使える補助金・助成金を出している所もあります(不妊治療費の助成金など)。
出典(2026年11月3日に確認)
  • 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第2〜6・14・15・17・18・29条、地方自治法 第232条の2、雇用保険法 第10・12・62・63・68条、年金生活者支援給付金の支給に関する法律 第26・30・33条、障害者総合支援法 第29条、行政書士法 第19条、社会保険労務士法 第27条、法人税法 第42条、所得税法 第42条(e-Gov 法令検索)
  • 厚生労働省「雇用関係助成金支給要領 第1 共通要領」「令和8年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」、業務改善助成金 交付要綱、不正受給と勧誘への注意の案内
  • 中小企業庁・ミラサポplus「補助金とは」、中小機構「補助金活用ナビ」「よろず支援拠点とは」、小規模事業者持続化補助金・中小企業新事業進出補助金の採択結果の発表
  • 東京都中小企業振興公社「創業助成事業 過去の採択情報」「市場開拓助成事業」(事実だけを当サイトの文でまとめた)
  • 国税庁 タックスアンサー No.6157・質疑応答事例・法人税基本通達 2-1-42、経済産業省「持続化給付金制度の概要」、日本年金機構「年金生活者支援給付金」、総務省「地方交付税」、内閣府 地方創生臨時交付金

誤りに気づいたら誤りの報告からお知らせください。